出光興産の株価が上昇しています。2024年4月10日までの1年間で80%以上も上昇しました。2024年3月期は減収減益の見通しながら、足元で原油価格が上昇傾向にあること、また2023年から取り組むPBR改善策が投資家に評価されているものと考えられます。

【出光興産の業績】

    売上高    純利益 
 2022年3月期 6兆6868億円 2795億円
 2023年3月期 9兆4563億円 2356億円
 2024年3月期(予想) 8兆6500億円 1800億円

※2024年3月期(予想)は同第3四半期時点における同社の予想

出所:出光興産 決算短信

出光興産は資本収益性の高さから「JPXプライム150指数」に選ばれています。

今回は出光興産に焦点を当ててみましょう。収益源である5つの事業と原油価格との関係、また同社のPBR改善策を紹介します。

石油元売り大手 原油から派生する5事業が収益源

出光興産は石油元売りの大手です。2019年に昭和シェル石油と経営統合しました。国内ではENEOSホールディングスに次いで2位に位置します。

【石油元売り大手3社の予想売上高(2024年3月期)】
・ENEOS HD:14兆0000億円
・出光興産:8兆6500億円
・コスモエネルギーHD:2兆5550億円
※ENEOS HDは国際会計基準、その他は日本基準
※同第3四半期時点における

出所:各社の決算短信

主力事業は燃料油の販売です。原油を仕入れ精製し、ガソリンや軽油といった石油製品を企業や消費者向けに販売しています。

原油の精製で生まれるナフサはエチレンなどの化学製品になることから、石油元売りは一般に化学メーカーとして顔も持っています。出光興産も産業向けに基礎化学品や高機能材を販売しています。

オイルショックを受け石油に代わるエネルギーを模索した経緯から、出光興産は電力や再生可能エネルギー事業も展開しています。所有する発電所から電力の卸売りや小売りを行っています。また石炭や石油・天然ガスといった資源ビジネスも重要な収益源となっています。

【セグメント業績(2023年3月期)】

                売上高    セグメント損益 
 燃料油 7兆4039億円 730億円
 基礎化学品 6669億円 101億円
 高機能材 5110億円 170億円
 電力・再生可能エネルギー 1971億円 5億円
 資源 6721億円 2309億円

出所:出光興産 決算短信