がめついのはどっち?

それでも小倉さんは、長男を無事出産。夫は出産に立ち会い、初めての子どもにメロメロだった。

ところが産後3カ月頃、夫に1年間の単身赴任が決まる。

「厄介なのがこの単身赴任、あくまで『研修』という名目のため、手当が一切出ませんでした。つまり育休中に支給される私の給料と、手取り350万円の夫の給料で、子どもにかかるお金と夫の奨学金返済、車のローン、単身赴任の生活費を賄わないといけなかったのです。ちょっとだけ残っていた私の婚前貯金が、この単身赴任期間の1年で底をつきました……」

長男を出産したばかりの妻の不安もどこ吹く風。またしてもこの期間中に、夫は予想外の行動に出る。

夫はこの頃、なぜか突然バイクにハマり、「バイクが欲しい!」と騒ぎ始めたのだ。車のローンすら払い終わっていないため、小倉さんは「じゃあ車を売って、そのお金で買えばいいじゃない」と一蹴。小倉さんはママチャリで移動していたため、車は夫だけが使用していた。夫は「車がないと困る」と言って、渋々ながら引き下がったように見えた。

それから1年後、夫が単身赴任から帰ってきた。帰ってきた後、実は単身赴任手当が月50万円ほど出ていたことが発覚。

しかしその50万円は、単身赴任期間中、給料が振り込まれる銀行口座には入金されていなかった。

不審に思った小倉さんが問い詰めたところ、夫は隠し口座を作り、そこに手当だけ入金してもらえるよう申請。50万円を丸ごと自分のものにし、大型バイクの免許の取得費用に当てていたという。

「バイクも持ってないのに!? 買うお金もないのに!?」と激怒する小倉さんに夫は、

「だってバイク買ってくれなかったから」と言い訳。

夫の幼稚さに、小倉さんは情けなくて泣いた。

すると、「子どもの口座にお金あるじゃん! それでバイクも買えるはず!」と開き直る夫。

それは子どもの将来のために、もらったお年玉やお祝い金をためている口座だ。

「あのお金は、あなたの娯楽のためにためてるんじゃないでしょう!」

と何度目かの説明をするが、馬耳東風。

バイクの免許取得に使い込まれたお金を返すように言っても、「使って無いものは返せない」と平然と言いのけられた。

●その後、小倉さんの夫は出世して給料が大幅に増加しましたが、その途端に「なんで小遣いがこんなに少ないんだ!」と騒ぎ立てるようになります。また、この頃から小倉さんの夫は急に不機嫌になって小倉さんの欠点を挙げ連ね、一方的に「別れる」とわめき散らすこともしばしば……。一体何が起こったのでしょうか? 後編【「勝手は許しません」不倫バレして夜逃げした夫に、妻が与えた“お金の三重苦”の制裁】で詳説します。