冠婚葬祭フィーバー
小倉さんは、結婚の約2カ月後に妊娠が発覚。産休に入るまでは働くつもりだったが、妊娠2カ月で重度のつわりに見舞われ、卵巣捻転と重なり入院。やむなく休職することになったため、小倉さんの収入は激減する。
一方、夫は小倉さんの地元へ転居するための転職。それに伴って年収が半分になり、月10万の車のローンが家計を圧迫し始める。
「生まれてくる子どものために貯金もしたい時期、月10万円の出費は痛手でした。でもまぁ、お小遣い制だから、無駄遣いもできないだろう……と高をくくっていると、外へ飲みに行くのが大好きな夫は、まさかの方法で飲み歩き始めました」
夫が目をつけたのは、友人・知人の結婚式。なんと夫は毎月のように自分が生まれ育った地元の結婚式に出席し始めたのだ。
「私は人から義理堅いと言われる方で、冠婚葬祭については許容しがちでした。夫はそこに目をつけたんだと思います。地元へ戻る交通費を含め、結婚式参加にかかる費用は1回7~8万円です。しかも多いときは月に数回だったので、生まれてくる子どものために貯金もできませんでした」
多い月は夫の結婚式出席費用として、20万円以上かかった月もあった。
やがて夫は「塾で少しだけ一緒だっただけの先輩」など、希薄な関係性の結婚式にも出席するようになる。これにはさすがの小倉さんも怒り心頭。夫は“お車代”が出る結婚式でも「もらっていない」とうそをついて、小倉さんに交通費を請求。差額分を自分の懐に入れていたことを自白。
あきれた小倉さんは、「私たちの結婚式に参加してくれた人の結婚式にだけ、家計から結婚式への出席費用を出す」という制限を設けた。
「もちろん、自分のお小遣いを使うなら無制限です。飲み代で消費しているので、そんなお金は残ってないでしょうけど……。すると夫は、『嫁がケチるから結婚式に行けない』と周りに言いふらし、自分の友人たちに私を“がめつい鬼嫁”として吹聴し始めました……」