会社の退職給付制度が「確定給付企業年金」や「企業型確定拠出年金」といった企業年金タイプの人は、「一括」「分割」といった受け取り方が自分で選べる場合がほとんどです。
それゆえ、「どう受け取るのがお得か」という話題が、たびたび雑誌やネット記事などにも取り上げられています。
私も、これまで定年退職をテーマとした書籍やムック本を作る際、専門家の皆さまに企業年金の受け取り方について、何度か取材しました。その感想は、お得な受け取り方にたどり着くには、制度がかなり複雑で分かりにくい面があるということです。
何も考えずに、受け取ると思わぬ落とし穴があるかもしれません。今回は、自分に合った企業年金の受け取り方を見つけるヒントを紹介したいと思います。
企業年金の3つの受け取り方とそれぞれの特徴
「確定給付企業年金」や「企業型確定拠出年金」は、その名称に“年金”がついている通り、サラリーマンが退職後に老後の収入として、公的年金のように定期的に一定額を受け取ることが想定されている制度です。ただし、どちらも規約で定めれば、年金資産の全部または一部を一括で受け取ることが可能です。
その結果、多くの場合、企業年金は受け取り時に次の3つの選択肢が登場します。
①一時金でもらう
②年金として分割でもらう
③一時金と年金を組み合わせてもらう
①の一時金は、退職時に「退職金」として年金資産を一括で受け取る方法。②は、年金資産を小分けにして受け取る方法で、終身年金の場合もありますが、ほとんどの企業では5~20年以内の有期年金になっています。③は、年金資産の一部を一時金で受け取り、残りの年金資産を分割してもらう方法です。