——最後に、直近DC向けにどのような商品が設定されたか教えていただけますか?
2023年7月~9月では8本のファンドが設定されました(図8)。この中で今回は、3番目の「DC低リスク運用・先進国バランスファンド(円キャッシュプラス)」と、5番目の「DCニッセイ/サンダース・グロースバリュー株式ファンド」を取り上げたいと思います。

図8 新規設定ファンド(直近10本) 拡大図表示

※公社債投信等を除くDCファンド(専用・共用)
出所:三菱アセット・ブレインズ

「DC低リスク運用・先進国バランスファンド(円キャッシュプラス)」は目標リスク水準を2%とし、株式・債券などのリスク資産と現金などの無リスク資産の比率を適宜調整することで、リスクをコントロールする比較的リスクの小さいバランス型ファンドです。

リスク資産の配分比率は、金融工学を基にしたアセットアロケーションモデルによって決定します。リスク・パリティという運用戦略に基づき、各資産のリスクの配分が均等となるよう資産の配分比率を決定します。ファンドマネジャーの裁量や能力によって運用されるファンドとは異なる、システマティックな運用が行われることから、アクティブファンドとしては運用管理費用も安く、将来的な運用体制の変更の影響も受けづらい点が特徴です。長期の運用が想定されるDCにマッチした運用商品と言えるかもしれません。

「DCニッセイ/サンダース・グロースバリュー株式ファンド」は、MSCIコクサイをベンチマークとしたバリュー株投資に特徴があります。運用を行う「サンダース社」は、米国フロリダを拠点とする比較的新興の独立系資産運用会社です。米国の資産運用大手のアライアンス・バーンスタイン社でCIOも務めた、ルイス・サンダース氏が2008年に設立しました。

同社は、何らかの事象により市場から一時的に過小評価され、割安となった優良企業へ投資する逆張り投資スタイルを貫いています。一般的なバリュー型ファンドと異なり、徹底した銘柄リサーチにより、割安度だけでなく業績の持続力も精査するため、バリュー株が劣後しやすいグロース相場でも一定の耐性を有するとされています。また、5年超の長期保有を標榜しているため、銘柄の入れ替えが少ない点も特徴です。米国では、同社の投資哲学に共感する機関投資家から主に資金を集めています。

なお、当ファンドと同一のマザーファンドへ投資するファンドが金融機関の窓販向けにも新規設定されています。当ファンドシリーズが今後日本の投資信託市場で評価されるのか注目が集まります。

以上、パフォーマンス動向、資金流出入動向、新規設定ファンド動向について、お話しました。