資産運用への不安を少しでも軽減するきっかけに
2024年にNISA制度が改正され非課税投資枠が拡大されるにあたり、メディアではさまざまな情報が発信されています。新NISA対応の書籍も多く出版されています。ところが、その多くは制度変更の内容やその利用のポイントに焦点が当たっています。肝心の資産運用の方法については、「インデックスファンド投資が良い」と簡単に結論づけられているものが大半のようです。
ところがインデックスファンドもさまざまなタイプが存在しています。どのインデックスに連動させるのが良いのか合理的な理由からは選べない方も多いのではないでしょうか? また新NISAがきっかけで資産運用の勉強をされる方も増えているとはいえ、まだまだ資産運用そのものに不安を感じている方も多数いらっしゃるのではないでしょうか。
一方で、NISA同様に長期での資産形成を目的とする確定拠出年金でも同じ傾向が見られるようです。企業型開始から20年以上が経過し、多くの加入者の皆さまが運用成果を上げているにもかかわらず、比率は低下したとはいえ元本確保型の商品への投資比率は依然として全体の40%を超えています(注)。確定拠出年金でもやはり多くの方がリスクのある資産運用に不安を感じられているのでしょう。
(注)運営管理機関連絡協議会「確定拠出年金統計資料」(2022年3月末)より
今回は、資産運用や投資に大きな不安を感じていらっしゃる方のご心配を少しでも軽減できるきっかけになればと思い、本稿を書かせていただきます。また、お読みいただいている方の中には、お仕事等で投資に不安を感じる方々と接する機会の多い方もいらっしゃると思います。皆さまがそうした方々とお話をされ、資産運用に対する不安を軽減される際のご参考にしていただければとも考えています。
初心者も納得して実行できる資産運用
多くの投資初心者が理解し実行開始
私は38年にわたり大手金融機関の資産運用部門で主に仕事をし、その後資産運用ナビゲーターとしてさまざまな情報発信を行ってきました。昨年立ち上げた新会社の社名も「お金の育て方」とし、活動の一環として投資初心者の方々に資産運用の基本的な考え方をお話ししてきました。その結果ほとんどの方々がお話しした考え方に沿って資産運用を開始され、順調な成果をあげていらっしゃいます。
本稿では、そうした方々にお話ししている内容を、今後数回にわたりご説明します。その考え方は私が金融機関で仕事をして30年ほど経ったある時に、「そういうことだったのか」と腹落ちして理解できた内容です。他では同様の話は少なくとも私は目にしたことはありません。