米セブンを買収!躍進する海外コンビニ事業
セブン-イレブンはもともと米国発祥のコンビニチェーンで、国内ではライセンス契約に基づいて展開されていました。しかし日本セブンが大きく成長した一方、米セブンは1980年代に業績が急激に悪化し、現在のセブン&アイに支援を求めます。そして1991年に米セブンの運営会社株式を取得し、2005年に完全子会社化しました。アメリカから輸入した日本のコンビニが、発祥の企業を飲み込んだ瞬間でした。
これを機にセブン&アイの海外事業は大きく前進し、現在では全世界に8万5000店舗を構える世界的な小売りグループとなっています(2023年2月末時点)。特に海外コンビニエンスストア事業の発展が目覚ましく、2023年3月期にはセグメント売上高が8兆円を突破しました。営業利益でも国内を初めて上回っており、セブン&アイの収益源が海外に移っている様子がうかがえます。
【コンビニエンスストア事業の推移】
出所:セブン&アイ・ホールディングス 決算短信より著者作成
セブン&アイは2022年1月、海外戦略を強化するため「セブン-イレブンインターナショナル(7-Eleven International)」を設立しました。これまで主に日本と北米で業績を伸ばしてきましたが、今後はさらに広範な地域へ進出する計画です。日本式のコンビニは新天地でも通用するのか、投資家の期待が集まっています。