・肥大化するネット事業… NHKが「スマホ所有でも受信料徴収」したいワケ

「セブン&アイ・ホールディングス」が好調です。2023年2月期は売上高に相当する営業収益が小売業で初めて10兆円を突破し、純利益も過去最高を記録しました。株価も堅調で、2023年1月には上場来高値を約7年半ぶりに更新しています。

【セブン&アイ・ホールディングスの業績】

※2024年2月期(予想)は2023年2月期時点の同社の予想

出所:セブン&アイ・ホールディングス 決算短信

【セブン&アイ・ホールディングスの株価(月足、2020年5月~2023年5月】

 

出所:Investing.comより著者作成

セブン&アイは2023年にコンビニ事業50周年を迎えます。今注目の企業、セブン&アイに焦点を当ててみましょう。

国内トップクラスの巨大小売りチェーン

セブン&アイは国内で最大規模の売上高を誇る企業です。2番手のイオンと拮抗(きっこう)する状態が続いていましたが、直近の決算では2兆6000億円以上の差を付けました。2021年に買収したアメリカのコンビニ「スピードウェイ」の寄与分が大きな差につながったとみられています。

【主な小売業の売上高】

 

出所:各社の決算短信

セブン&アイの成長は主に『セブン-イレブン』を中心としたコンビニエンスストア事業がもたらしましたが、もともとは総合スーパーの『イトーヨーカドー』を中心とした企業でした。

1920年、創業者である伊藤雅俊(いとう・まさとし)氏の叔父が洋品店の「洋華堂」を開業し、1940年に兄がのれん分けを受けます。伊藤氏は兄の洋華堂に参画しますが、1956年に兄が急逝。伊藤氏が経営を引き継ぎ、1958年に現在の「イトーヨーカ堂」を設立しました。ハトが四つ葉のクローバーをくわえた同社のロゴマークは、このときに誕生します。

その後、1973年に現在の「セブン-イレブン・ジャパン」を設立し、国内でセブン-イレブン事業を開始しました。これが大当たりし、1980年には出店数1000店舗を達成。2001年にはチェーン全店の売上高が国内小売業でトップになりました。セブン-イレブン・ジャパンの企業価値が親会社のイトーヨーカ堂を上回るようになったため、2005年にセブン&アイを持ち株会社として資本関係を整理し、現在の体制になっています。