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SBI証券は株式売買手数料の無料化で圧倒的な競争力、
「Winner takes all」も視野に

SBI証券は2023年9月末までに国内株式の売買委託手数料を無料にする。証券会社の間で繰り広げられている手数料の引き下げ競争は、年々激しさを増しているが、その先陣を切って手数料率の無料化に突き進んできたのがSBI証券だ。SBIグループを率いる北尾吉孝会長兼社長は、今回の改定によって「手数料の引き下げ競争に終止符を打つ」と公言している。米国では、チャールズ・シュワブが2019年10月に株式売買委託手数料の無料化に踏み切った時、同業のTDアメリトレード、Eトレードなどが追随して無料化に踏み出した。そして、チャールズ・シュワブがTDアメリトレードの買収に乗り出すなど、リテール証券会社の再編の動きにまで発展した。今回のSBI証券の無料化に対して、ただちに追随すると発表した証券会社はないが、2024年1月にスタートする新NISAを控えて、SBI証券の仕掛けを黙って見過ごせはしないだろう。当然、その影響はネット証券だけにとどまらず、証券界全体に及ぶだろう。SBI証券が投げかけた波紋が証券界を揺るがそうとしている。

SBI証券が手数料無料化に向けてくさびを打ち込んだのは2020年10月、1日定額プランの売買手数料を1日100万円まで無料化したこと。チャールズ・シュワブが手数料無料化に踏み切ってから1年後のことだった。その後、2021年12月には25歳以下の国内株式現物手数料を無料化し、2022年3月には一般信用取引の「日計り信用」の買方金利・貸株料について約定金額に関わらず年率0%にした。さらに、2022年7月からは単元未満株の買付手数料を無料化している。このような動きに、楽天証券、auカブコム証券などの競合証券は敏感に反応し、それぞれが競争優位にあるサービスで手数料の引き下げを実施。現在までのところ、楽天証券とauカブコム証券が1日の約定代金100万円まで手数料無料、松井証券では同50万円まで無料になっている。

※松井証券のボックスレート手数料は1億円で11万円(税込み)が上限
※マネックス証券の1日定額プランの約定代金100万円超は約定代金300万円ごとに2750円(税込み)加算
※各社において若年層向けに一定年齢以下を手数料無料としているケースがある

出所:SBI証券「主要ネット証券株式委託手数料の比較」より著者作成