4.年間の枠は使い切らなくてもOK

「年間の枠を使い切らなくて良い」という点も、新NISAの大きなメリットです。

新NISAの年間360万円まで使えるというルールに対して、「毎年そんなに投資できない!」と感じた方も多いのではないでしょうか。

実際、⽇本の平均賃⾦は⽉31.1万円(出所:厚⽣労働省「令和4年賃⾦構造基本統計調査」)なので、年間360万円を使い切るために月平均30万円も投資できる人は少数派と言えます。

つまり、私たちが意識するのは「総枠の1800万円」だけで良いのです。

新NISAでは、1800万円を使い切る方法として、

●年間180万円×10年
●年間90万円×20年
●年間60万円×30年

などと、ルートは無数に考えられます。

さらに「1年⽬は50万円、2年⽬は100万円……」と変則的な投資も可能です。⼦どもの⼊学を控えているなどの出費が多い年は投資を抑え、逆にお⾦に余裕のある年は投資を増やすといった動き方もできるのです。

年間360万円の枠は、無理に使い切る必要はありません。⽬標を立てるなら、何⼗年かけても良いので、総枠1800 万円を⽬指すのがオススメです。

5.旧NISAとは別の扱い

新NISAを使うべき最後の理由。それは、新旧NISAは別枠で管理されることです。

旧NISAで投資した株・投資信託は、2024年以降も「旧NISAに⼊ったまま」になります。実はこの制度設計から「2023年の1年間は旧NISAをフルに使うのがベスト」という答えが導き出せます。

例えば2023年に、

●あなたの証券⼝座:つみたてNISAで40万円
●あなたのお⼦さんの証券⼝座:ジュニアNISAで80万円

という額を投資した場合、元本120万円分が⾮課税となります。そして2024年からは、新NISAでさらに1800万円まで投資ができるのです。このケースでは、合わせて1920万円分もの⾮課税投資が可能となります。

旧NISAを最大限使った上で、新NISAもしっかり使う。これが、税制面で言えば最善の動き方となります。