賃上げで注意したい「130万円の壁」とは

マクロ経済スライドは毎年行われるわけではありませんが、近年はインフレや賃上げが相次いでいるため、今後は頻発するかもしれません。

また給与が引き上げられる場合、「130万円の壁」への注意も必要です。年収が130万円を超えると、社会保険料の負担が増える可能性があります。なぜそのようなことになるのか、130万円の壁について押さえましょう。

まず、国民年金の加入者には3種類あります。自営業者などの「第1号被保険者」と会社員などが該当する「第2号被保険者」、そして第2号被保険者に扶養される「第3号被保険者」です。

このうち、第3号被保険者は保険料の負担がありません。第2号被保険者が加入する厚生年金が負担するためです。ただし第3号被保険者となるためには、第2号被保険者に扶養されるだけでなく、基本的に当人の年収が130万円未満でなければいけません。もし年収が130万円を超える場合、原則として厚生年金の加入義務が生じ、第3号被保険者から第2号被保険者に移行してしまいます。

このルールを130万円の壁と呼ぶことが多く、扶養されている人は年収が130万円以上とならないよう働くケースが少なくありません。また従業員が100人(2024年10月からは50人)を超える一定の事業所では、月収8.8万円以上などの条件を満たすと厚生年金への加入義務が生じる「106万円の壁」もあります。

賃上げが行われると、同じように働いても上記のような年収の壁に抵触しやすくなります。扶養内で働いている人は注意してください。

執筆/若山卓也(わかやまFPサービス)

証券会社で個人向け営業を経験し、その後ファイナンシャルプランナーとして独立。金融商品仲介業(IFA)および保険募集人に登録し、金融商品の販売も行う。2017年から金融系ライターとして活動。AFP、証券外務員一種、プライベートバンキング・コーディネーター。