老後は公的年金プラスアルファの対策が必要

「宮田さんは15年以上国民年金の保険料を納付していませんでしたね。今のままでは将来、平均的な会社員の半分より少し多いくらいの年金しかもらえません。家計に余裕ができたら未納になっている国民年金保険料を10年前までさかのぼって追納することができますし、個人型確定拠出年金(iDeCo)など上乗せ年金を準備する方法もありますよ。国民年金の場合、1年分の保険料を支払うことで将来の受給額が約2万円増えます。10年分だと20万円、侮れませんよ」

正直、これまでは毎日暮らしていくのに精一杯で、先のことなど考える余裕はありませんでした。でも、ご自身もバツイチのシングルだという藤代さんから「家賃や光熱費は1人でも2人でもそう変わらないため、老後の1人暮らしは相対的に負担が大きい。それに、おひとりさまは自分の介護や死後の始末もある程度自分で手当てしておかなければならないから、それなりにお金がかかりますよ」といった話を聞いているうちに、私のような者こそ、しっかりと将来の準備をしていく必要があることを痛感しました。

すぐに藤代さんから紹介されたiDeCoの取り扱い金融機関や銘柄の比較サイト「iDeCoナビ」でiDeCoについて調べて、幾つかの銀行から資料を取り寄せました。そして、口座管理手数料が安く、資料が私のような素人にも一番分かりやすかったインターネット銀行に口座を開いて積み立てを始めました。

藤代さんには、まずは1年間の生活資金分の貯蓄を確保することを目標に、アプリを使って支出を把握し、家計を管理することを提案されました。自分ではカツカツのつもりでしたが、藤代さんに指摘され、食品の買い置きが多過ぎるとか、コンビニエンスストアで新発売のスイーツがあるとつい買ってしまうなど、結構無駄遣いが多かったことに気付きました。