・100円稼ぐのに2万2000円かかる…JRが苦悩する赤字路線の過酷な実態

「ラーメン」は今や国民食といえます。家計調査によると、外食の支出額に占める「中華そば」の割合は近年右肩上がりに上昇しており、2021年は2000年の1.4倍以上になりました。2020年~2021年はコロナ禍で外食全体の支出が減少しましたが、ラーメンは比較的消費が落ち込まなかったようです。

【外食に占める「中華そば」の割合(2人以上世帯の支出、2000年を100とした場合)】

総務省統計局「家計調査」より著者作成

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これまでさまざまなラーメンが人々の関心を集めましたが、豚骨ラーメンブームをけん引した代表格が「一風堂」です。洗練された店内とメニューを武器に、ラーメンファンはもちろん、それまで豚骨ラーメンを敬遠しがちだった女性にも幅広く愛されてきました。店舗網は海外にまで伸び、今やトップクラスの知名度を誇ります。

10月16日は一風堂の創業日です。今日は一風堂の沿革と、ラーメン市場の動向について押さえましょう。

創業者は『TVチャンピオン』のラーメン王

一風堂は1985年に福岡県で誕生しました。創業後しばらくは福岡の1店舗だけでしたが、1994年に開業した「新横浜ラーメン博物館」に当初から出店したことで、一風堂の認知は大きく進みます。1995年には渋谷区の広尾に「恵比寿店」を出店し、東京進出も果たしました。

創業者の河原成美(かわはら・しげみ)氏が、かつてテレビ東京が放送していた『TVチャンピオン』の「ラーメン職人選手権」で優勝すると、人気はさらに高まります。3連覇を果たした2000年には、「日清食品」と共同で業界初となる店名入りカップ麺を発売し、一風堂の名は全国に広がりました。

一風堂の躍進は国内にとどまりません。2008年にはニューヨーク、2011年には香港と、次々に海外へ進出します。一風堂を運営する「力の源ホールディングス」の海外店舗は2022年3月末時点で134店舗にも上り、国内店舗(同143店舗)に迫るほど拡大しました(いずれもライセンス含む)。コロナ禍では赤字を計上しましたが、2022年3月期に黒字に復帰し、今期も増収増益を予想しています。

【力の源ホールディングスの業績】

※2023年3月期(予想)は同第1四半期時点における同社の予想

出所:力の源ホールディングス 決算短信