9月16日、PayPayは「海外支払いモード」を開始すると発表した。

PayPayアプリの決済や送金が海外でも利用可能になる。「Alipay+(アリペイプラス)」加盟店でPayPayでの決済ができるうえ、個人間送金や残高チャージ、PayPayポイントを「貯める」「使う」機能も同様に利用可能。さらに、為替レートは常時表示、PayPay残高も日本円と現地通貨で切り替え表示、さらに現地の店員への提示はローカル言語で表示される仕様など旅先ならではの便利機能も。

こうしたいわゆる「アウトバウンド」の第一弾は韓国から。9月下旬以降の開始予定だという。韓国の200万を超える店舗で使える見込み。

画面イメージ(PayPay提供)

第一弾が韓国である理由についてPayPay執行役員 金融戦略部長 柳瀬将良氏は「韓国は、日本人観光客がもっとも多く渡航する先である」ことと、「キャッシュレスが進んだ国である」ことを挙げた。JTB総合研究所「アウトバウンド 日本人海外旅行動向」によれば、2024年、韓国への日本人出国者数は320万人を超え、もっとも多くの日本人が訪れた国となった。また、一般社団法人キャッシュレス推進協議会「キャッシュレス・ロードマップ2023」によれば、韓国でのキャッシュレス決済比率は9割を超えている。なお、韓国に続く展開として、「台湾やハワイといった、日本人が多く訪問する国や地域から検討していくこととなる」(柳瀬氏)とコメントした。

柳瀬 将良氏(Finasee編集部撮影)
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資産形成とポイントの関係は“経済圏”競争のなかで年々密接になっている。

PayPayポイントもその他主要ポイントも、多くの場合、投資信託の購入において1ポイント=1円とほぼ現金のような扱いで利用できる。そうした背景もあり、自分のライフスタイルに合い、かつ効率的にポイントを貯められるサービスを使いたいと考えている資産形成層は多い。

PayPayポイントといえば、5月に「Vポイントとの相互交換」を発表し、話題となったことも記憶にあたらしい※。
※詳細は、【「VポイントとPayPayポイントの相互交換」も話題―三井住友カードとPayPay、“決済の大連合”の狙いは…】ご参照。

「日本国内と同じモバイル決済の体験を、海外でも提供できれば顧客の利便性につながる」(柳瀬氏)という今回のサービスが、利用者拡大につながるのか注目といえるだろう。