——今月のDCファンドの状況について教えてください。

当月の資金流出入額は約1,560億円となりました。前月から約760億円増加しました。資金流入額が1,500億円を超えるのは、2020年1月以来と約2年半ぶりの水準です。

図3 ファンド分類別 月間流出入額推移(DC専用ファンド)

※ 公社債投信等を除くDC専用ファンド 出所:三菱アセット・ブレインズ

資金流入額は、多い順に、複合資産型(683億円)、外国株式型(487億円)、国内株式型(146億円)となりました。当月は資金が流出したアセットクラスはありませんでした。ロシアによるウクライナ侵略が開始された2022年2月には資金流出入額は低調となりましたが、足許では回復傾向にあるようです。

直近6ヵ月の資金流出入額の累積は、外国株式型が1,786億円、複合資産型が1,736億円と人気を二分しています。市場の傾向として、若年層の加入者が外国株式型で運用する一方、シニア層の加入者は複合資産型で運用する傾向があるようです。一般的に若年層のリスク許容度は高い傾向にありますから外国株式で運用する人が多いですが、シニア層のリスク許容度は低い傾向にあり、低リスクとされる複合資産型ファンドで運用する人が多くなっているものと思われます。

では、個別ファンドではどのようなファンドに資金が流入しているのか確認しましょう。外国株式型と複合資産型の2つのアセットクラスについてみてみます。まず、外国株式型の月間資金流入額上位15ファンドについて確認します(図4)。ランキング表のとおり、上位15本のうち14本までがMSCIコクサイなどの世界株価指数に連動するパッシブファンド、インデックスファンドとなりました。世界の株式市場に投資をするという商品性の分かり易さと運用中に手数料として差し引かれる運用管理費用の安さから人気が集まっているものと思われます。

図4 2022年6月 外国株式型(DC専用ファンド)

※ 公社債投信等を除くDC専用ファンド 出所:三菱アセット・ブレインズ

一方、複合資産型の月間資金流入額上位15ファンドでは、パッシブファンドとアクティブファンドがそれぞれランクインしています(図5)

図5 2022年6月 複合資産型(DC専用ファンド)

※ 公社債投信等を除くDC専用ファンド 出所:三菱アセット・ブレインズ

上位3本は三菱UFJ国際のパッシブファンド「三菱UFJプライムバランス」シリーズが独占しました。リスク許容度に応じ安定型、安定成長型、成長型の3コースが用意されています。加入者は自身のリスク許容度に合わせて株式比率の低い安定型から株式比率の高い成長型まで自由に選べるようになっています。4位には「分散投資コア戦略ファンドA」がランクインしました。様々なアセットクラスに投資するとともに、市場環境に応じて配分比率を調整するファンドであり、先行き不透明な現在の投資環境において一定の人気を集めているものと思われます。