分配金が受けられるファンドがある

NISAで株式や投資信託に投資した際、その運用益に対して、非課税となります。現在、一般NISAの非課税投資枠は年間120万円となり、投資した年から5年間が非課税運用期間となります(※2024年から新NISAへ移行。後述します)。

投資信託は、基準価額の上昇後に売却することで利益を得ることができ、NISAにより売却益が非課税になりますが、運用収益を投資家に還元するための分配金が支払われるファンドもあります。毎月分配金を受けられるファンドもあれば、半年に1回分配されるファンド、年1回分配されるファンドもあります。

分配金が出た場合、そのもらい方には「受取型」と「再投資型」があります。

分配金の「受取型」とは

投資信託の基準価額が上がり、竹田さんの個別元本を上回る部分から支払われるのが「普通分配金」です。普通分配金を「受取型」で受け取った場合、その部分は利益となり、本来課税対象(税率20.315%)となりますが、NISAを活用すると非課税となります。

「受取型」で現金で受け取ると、その分、“短期間”で利益を確保できます。しかし、分配金が支払われた分、その投資信託の純資産総額が減り、さらに基準価額が減ってしまうことになるため、その後の運用効率が落ちてしまい、長期的には複利効果は得られにくいというデメリットもあります。

さらに、注意したいのは分配金の中には元本払戻金(特別分配金)もある点です。元本払戻金とは、分配金を支払う際に基準価額が下がり、個別元本までも下回った場合の「下回った部分」のお金を指します。

元本払戻金はこの名の通り、元本の払い戻しであるため、利益ではなく、受け取っても元々非課税ですので、NISAによる非課税のメリットを享受できません。また、元本払戻金を受け取ることによって個別元本は減っているので、やはり将来の運用効果は薄れてしまいます。毎月分配型の場合で運用が上手くいっていない時期が続くと、毎月元本払戻金ばかりを受け取ることになってしまうでしょう。

従って、“長期的”な運用を考えると分配金の「受取型」は選ばないほうがよいと言えます。

配当金の「再投資型」とは

分配型ファンドの分配金の受け取り方には「再投資型」もあります。現金で受け取ることなく、その分同じ投資信託を購入することです。

再投資を選択することで、その分配金の額での口数分を購入手数料が掛かることなく、自動的に購入することができます。これによって、投資の規模も大きくなり、分配金を受け取るよりも長期的に運用益も増えます。