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6月9日は「ロ(6)ック(9)」の語呂合わせで「ロックの日」と制定されています。分かりやすさから音楽ファンに浸透し、ロックにちなんだイベントが開催されるようにもなりました。ロックに代表される大衆文化は時代を象徴するものであり、時代の変化とともに楽しみ方も変わってきました。

バンドブームとともにCDの売り上げが上昇

【音楽ソフトの生産実績の推移】

 

出所:日本レコード協会「音楽ソフト 種類別生産金額推移」

日本では1980年代の終盤からバンドブームが起こり、ライブで人気を博したバンドが次々にメジャーデビューを果たしました。上記の表はアナログレコードやカセットテープなど全ての媒体での生産ベースの金額推移ですが、その大部分をCDが占めています。

CD市場は全盛期の3分の1に

音楽ソフトの売り上げのピークは1998年でミリオンセラーのシングルが14作もあり、アルバムも25作ありました。バンドブームから音楽ソフトの売り上げがピークとなる1998年までに、日本はバブル崩壊を経験しています。つまり、音楽ソフト業界の成長は景気とは関係なく起きたムーブメントだったといえそうです。

しかしその後、音楽ソフトの売り上げは急降下。2008年には3617億円と、1998年の6074億円からわずか10年で半分近くまで落ち込んでしまいます。さらに直近の2022年には2023億円と、全盛期の約3分の1になってしまいました。

CD離れが進行している間に、日本ではそれほどまでに「音楽離れ」が起きていたのでしょうか。もちろんそのようなことはなく、原因の1つは社会全体で進んでいったデジタル化の影響が考えられます。音楽業界ではアップルの「iTunes(アイチューンズ)」のようなダウンロードサービスや、YouTubeなどの動画配信サービスが登場しました。これらによって、より気軽に音楽が聴けるようになったことがCD離れを引き起こしたと考えられます。

デジタル化によって既存のモノやサービスが売れなくなる現象は、他の業界でも起きています。しかし、音楽ソフト業界のように市場規模が3分の1になるほどの衰退は、ほかに例がないかもしれません。