日本が目指す個人による資産運用という仕組み ─ DC運用本来の目的を達成するには ─

つい先日、岸田総理大臣が英国を訪問した際、ロンドンの金融関係者に向けてメッセージを発信されました。中でも今後の日本における経済対策として公言されていた項目として『人への投資』というのがありました。その一つとして貯蓄から投資への移行を進めていくという方針でしたが、日本国民が持つ預貯金を資産運用に誘導するという、新しい仕組みの構築に取り組んでいくというものでした。

この誘導がスムーズにいくかは、様々な課題もあるでしょうし、どの程度時間がかかるかわかりません。しかし前のコラムでもお話した通り、私たちの将来を支える年金資産は自分で運用して守っていくという流れはすでに起こっています。

年金資産運用において、何故DCを採用する企業が急増しているのか、何故iDeCoがこの数年で急成長しているのか、こうした流れを見ても、今後ますます私たち個人一人ひとりが持つべき正しい金融リテラシーが重要になってくることは間違いありません。

今DCを運用している加入者の皆さん、またこれからDC運用を始めてみようとお考えの皆さんは、改めて何故ご自身が運用をやっているのか、何故やろうと思っているのか、その答えとなる本質を今一度思い返していただき、「難しい」「わからない」「周りがやっているから」「なんとなく」、こうした漠然としたイメージを払拭していただき、運用はご自身の将来のために必要な行動だと、ぜひ前向きに捉えていただければと願っています。