堅実な妻からまさかの告白…「借金500万円」

住居費や光熱費、日常的な食費などの共通経費については、1つの口座にそれぞれが入金する形で管理してきましたが、その他の資産については全く関知しなかったため、私は妻がどれくらいの資産を持っているのか分かりませんし、妻も私の預貯金の額を知ろうともしませんでした。

私は運用に関しては山っ気のある性格で、若い頃には一獲千金を夢見て未公開株や、いわゆる原野商法などに手を出し、痛い目に遭ったことがあります。しかし、妻は学生時代から堅実を絵に描いたような性格で、私の失敗を「あなたはいつも、そうやってよく考えずに行動してしまうから失敗する」といさめる立場でした。

ですから、内心、「私の資産管理が多少アバウトでも、妻はしっかり貯めているはずだから、老後も何とかなるだろう。2人分の年金も出るし」という甘えがあったのかもしれません。“しっかり者”の妻が、まさか多重債務を抱えていようとは、考えたこともなかったのです。

妻から「お金のことで話がある」と切り出されたのは、今から3年ほど前のことです。その日、いつになく深刻な表情で妻が口にしたのは、「自分名義の借金が500万円を超えたかもしれない」という話でした。私にしたら、まさに寝耳に水です。本来ならじっくり妻の説明に耳を傾けるべきところを感情的になり、「どうしてそんなに借りる必要があったんだ? 何に使ったんだ?」と妻を厳しく問い詰めました。