先月、ドル円のレートが2015年8月以来となる125円台を記録しました。アメリカの金利上昇が予想される中で日本銀行が指し値オペ(※)の実施を発表し、日米の金利差拡大が意識されたためだと考えられます。

※指し値オペ:指定した利回り以上に長期金利(10年国債利回り)が上昇しないよう日本銀行が国債を買い支える処置(国債価格が下がると長期金利が上昇する)。今回0.25%を指定。

【ドル円の値動き(2022年1月3日~4月11日)】

Investing.comより著者作成

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直近では大きく円安に動いていますが、実は27年前は反対に強い円高局面を迎えていました。1995年の4月19日にドル円は初めて70円台を記録します。

そもそも戦後の日本円は長期的に円高のトレンドを形成してきました。今日は円高の歴史を振り返りましょう。

バブル崩壊やメキシコ通貨危機が重なり強い円高に

円高の歴史は「スミソニアン協定」から始まります。それまでドル円は360円で固定されていましたが、1971年12月に同協定で308円にまで切り下げられました。そして1973年2月、再びドルが切り下げられると固定相場制は崩壊し、主要な通貨は変動相場制へ移行します。

1985年9月にはドルの価格をさらに切り下げる「プラザ合意」が発表され、ドル円は1988年に120円台に突入しました。バブル期に一時160円台まで回復しますが、崩壊後は再び円高の道をたどります。

ドル円が70円台に向かうきっかけとなった出来事が「メキシコ通貨危機」です。1994年12月にメキシコが自国通貨を切り下げたことで金融不安が広がり、ドル円は翌年4月に一時79.7円にまで下落しました。

【ドル円の値動き(1995年1月2日~4月28日)】

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70円台を付けた後は一転して円安基調を迎えます。1997年の「アジア通貨危機(※1)」や1998年の「ロシア危機(※2)」でも1ドル=100円を割り込むことはありませんでした。

※1.アジア通貨危機:タイを中心にアジアに広がった通貨危機。タイの通貨はドルに連動する「ドルペッグ制」が採用されていたためドル高に連動して上昇していた。そこに機関投資家が売りを仕掛けタイの通貨が急落。同じくドルペッグ制が採られていたマレーシアや韓国にも波及した。

※2.ロシア危機:ロシアが債務不履行に陥った事件。ロシアの通貨が急落し、大手ヘッジファンド「LTCM(ロングターム・キャピタル・マネジメント)」などが破綻した。