一時期に比べると落ち着いてきた感じはしますが、高いインフレ率によって米国の金利がどんどん引き上げられていた時期、米ドル建て金融商品に対する関心が高まりました。言うまでもなく、円建ての預貯金で運用するのに比べて、表面上は高い利率が提示されているからです。

円建て定期預金にはない、米ドル建て定期預金のリスク

たとえばソニー銀行が扱っている、米ドル建て定期預金の利率は、外貨普通預金からの預け入れで、満期が来た時には自動継続してくれるタイプを選ぶと、6カ月物で年5.1%という高利回りで運用できます。

ちなみに円建ての定期預金利率は年0.002%程度なので、米ドル建て定期預金の利率の高さが際立っていることがお分かりいただけるかと思います。

しかし、だからといって皆が皆、米ドル建て定期預金に預け替えるようなことはしません。なぜなら多くの人が、米ドル建て定期預金には、円建て定期預金にはないリスクがあることを知っているからです。そのリスクとは「為替リスク」です。

たとえば1ドル=150円で1万ドルの米ドル定期預金に預けるとします。必要な資金は円建てで150万円です。その後、満期にかけて円高が進み、1ドル=120円になったら、満期時に受け取れる円建ての元本はいくらになるでしょうか。1ドル=120円で1万ドルだから、120万円です。

30万円もの損失が生じています。このように、米ドルなど外貨で運用している最中、円高によって外貨建ての価値が毀損(きそん)することを、為替リスクと言います。

外貨建て金融商品での運用を敬遠する人の大半は、この為替リスクを警戒するからです。そしてこう思うはずです。「為替リスクを回避する方法があれば高い金利を取ることができるのに……」