7月10日の投票日に向け、いよいよ大詰めの参議院選挙。毎回選挙になると社会保障が重要な争点の1つとして挙がりますが、議員を務めた人向けの「議員年金」という制度があったことをご存じでしょうか?

どのような制度で、どのような経緯で廃止されたのか――この時期だからこそ、あらためて紐解いていきたいと思います。

国会議員にも地方議員にもそれぞれの年金制度があった!

現在、日本に住んでいる20歳以上60歳未満の人には国民年金に加入する義務がありますが、かつて国会議員や地方議会議員には、これとは別にそれぞれ「議員年金」という独自の年金制度がありました。

国会議員向けの「国会議員互助年金」は2006年4月に、地方議会議員向けの「地方議会議員年金」は2011年6月に廃止されて現在はありません。

国会議員互助年金とは…

まず、国会議員互助年金制度より支給される年金(普通退職年金)については、国会議員としての在職期間が10年以上あり、引退し65歳になれば支給されることになっていました。

その保険料と年金額が気になるところでしょう。保険料(納付金)は年間約126万円で、かなり高いですが、受給できる額は10年の在職で年間412万円となっていました(※退職時期が1994年12月以降の場合)。さらに、国会議員としての在職期間が1年増えるごとに受給額が8万2400円増額することになっているため、在職20年で494万4000円、30年で576万8000円となり、在職期間が長ければ長いほど年金額が高くなります(50年を上限)。また、在職期間が10年に満たなかったとしても、3年以上の在職期間があれば、掛けた納付金の8割が一時金として支給されることになっていました。

なお、在職50年以上の国会議員について、衆議院や参議院の議決があった場合は、憲政功労年金という、年額500万円(1987年改正後)支給される年金もありました(2003年廃止)。