国民年金・厚生年金と比較すると「おいしい」制度…批判の末、廃止に

国会議員互助年金の納付金と給付額が以上のようになるのに対して、国民年金保険料の場合、年間20万円程度(2022年度)、10年(120月)納付した場合に受けられる老齢基礎年金は年間19万5000円程度(2022年度)となります。

また、厚生年金に加入して毎月の標準報酬月額が最高等級の65万円、年2回の賞与でそれぞれ標準賞与額が最も高い150万円の場合だと、厚生年金保険料が年間99万円程度の負担、これを10年掛けた場合に受け取れる老齢基礎年金と老齢厚生年金の合計は年間75万円強となります。最も高い報酬・賞与で厚生年金を10年掛け続けたとしても、年間412万円の年金を受け取ることはできません。

こうして見てみると、国会議員の年金は、国民年金や厚生年金といった制度と比較するとかなり優遇された制度であると言えます。当然、国会議員の“特権”となっていることや、また、給付財源として納付金で足りない分を補う国庫負担(税金の負担)が7割もある点への批判もありました。その結果として、国会議員互助年金は廃止されることになりました(※廃止前の加入期間分について、減額された年金で支給、一時金で精算など、廃止による措置はあります)。