14億の人口を抱え現役世代が多いことから高い経済成長が期待

2023年の名目GDP(IMF統計)はアメリカ(約27兆ドル)、中国(約17兆ドル)、ドイツ(約4.4兆ドル)、日本(約4.2兆ドル)、インド(約3.5兆ドル)の順ですが、IMFは2027年にはドイツを抜いて世界3位の経済大国になると予測しています。なお、2023年度のインドのGDP成長率は前年度を1.2ポイント上回る実質8.2%増を記録し、2024年1~3月の実質GDPの伸び率も前年同期比7.8%プラスを記録しました。

こういった力強い経済成長を背景に注目されているのが、インド株への投資です。それを示すかのように、インドの代表的な株価指数「SENSEX株価指数」は過去5年間で2倍近く上昇し、2024年7月初旬時点で8万ポイントに迫ろうとしています。

【インド株投資のメリット】経済成長に伴う株価上昇や分散効果

経済発展に伴い企業への投資需要も高まることから、インド株の株価上昇が期待できます。市場全体が拡大し時価総額が増していくと、世界の年金基金をはじめとする機関投資家もインド株を有望な投資先とみなし、さらなる資金の流入が考えられます。また、投資の基本はリスクヘッジのための分散投資ですが、アメリカや欧州などに加えインドも加えることで、分散効果がさらに高まります。

【インド株のリスク】突発的な出来事で株価急落の可能性も…

インドは新興国の1つに数えられ、今は順調に経済を拡大していますが、今後もそうとは限りません。政治や経済情勢が不安定になったり、周辺国との関係が悪化する可能性はゼロでなく、株式市場にネガティブに影響する可能性があります。

例えば、これまでインド経済をけん引してきたナレンドラ・モディ首相ですが、2024年6月4日に開票が行われたインド下院総選挙では事前の予想に反することに。首相率いる与党・インド人民党は大きく議席数を減らし、単独過半数割れになりました。同政党を主軸とする与党連合の勝利に終わりモディ政権は3期目に入りましたが連立政権となったことから、これまでのようなリーダーシップが発揮できなくなる恐れがあります。

また、インドは伝統的なバランス外交を維持していますが、中国とは国境付近で紛争も起きています。地政学リスクは低いとはいえず、大きなトラブルが勃発すると自国経済や株式市場に大打撃を与えかねません。こういったリスクがあることから、インド株への集中投資は避けるべき。あくまでも分散投資先の1つだと捉えましょう。