ゴールデンウイークが終わり、1週間近くになろうとしています。
今年は、連休谷間の3日間を有給休暇にすれば、最長10連休になりました。街を歩けば海外からの旅行客が大勢いましたし、昨年は新型コロナウイルスの水際対策終了がゴールデンウイーク直前だったことから、海外旅行を断念した日本人も少なくなく、その反動で海外旅行に出掛ける人が結構多いと見込まれていました。
そしてゴールデンウイーク期間中のニュースでは、連日のように「日本って安い!(食事が)おいしい!」という外国人観光客の映像が繰り返し流される一方、連休最終日には、海外旅行から帰国した人たちへのインタビューで、「海外は物価が高かった」というコメントが、これでもかとばかりに流れてきました。
いずれも2021年1月から進んだドル高円安の影響です。
この20年ほど、ドル高が進んだとしても1ドル=125円が上限で、それを超えて大きくドル高円安が進むことはありませんでした。
ところが、2021年1月に1ドル=102円59銭というドル安円高水準から徐々にドル高円安が進み出し、2022年10月21日には1ドル=151円94銭をつけました。その後、ドル高の調整が入ったものの、2023年1月下旬からドル高円安が加速し、2024年4月29日にはおよそ34年ぶりの水準である1ドル=160円台まで円が売られたのです。
昔、日本人が海外に旅行した時、「物価が安いなー」と実感できたのは、ひとえに「強い円」があったからです。
マクドナルドのビッグマックの値段は、米国だと1個=5.58ドルです。仮に1ドル=80円だとしたら、日本円に換算して446円ですが、1ドル=160円で計算すると892円です。まさに倍!
これがホテル代、現地の交通費、飲食費、お土産代にも適用されるのですから、日本人が海外旅行に出掛けて「高い」と感じるのも、逆に海外からの観光客にとって日本が「安い」と感じるのも当然です。