マクドナルドのビッグマックで考える、為替“ホントのトコロ”

このように日本人が海外でお金を使う時、あるいは外国人が日本でお金を使う時には、その時々の為替レートがダイレクトに響くのですが、普段の生活に関していえば、その影響はもう少し穏やかです。

日本は海外から食料、資源・エネルギーの多くを輸入しているため、「円安が進むとインフレ懸念が高まる」と言われますが、もし生活するうえで必要なモノやサービスの値段が、為替レートの値動きからダイレクトな影響を受けたら、非常に生活しにくくなるでしょう。

たとえば前出のビッグマックの値段は、5月9日時点で1個480円ですが、これがいきなり800円に値上がりしたら、皆さんはどう思うでしょうか。

しかも、事はビッグマックだけでなく、さまざまなモノの値段にも影響してきます。数日のうちにモノやサービスの値段が倍になったとしたら、日常生活はパニック状態になります。

そのため、私たちの日常生活に必要なモノやサービスの値段は、いかに日本が食料や資源・エネルギーの多くを海外からの輸入に頼っているとはいえ、為替レートの値動きに対してダイレクトに反応しないように、さまざまな工夫が施されています。

ところが、ニュースは何につけても「大変だ!大変だ!」と騒ぎたいからなのか、この円安で、今日にでも物価が急騰するかのような印象を受ける報道が、繰り返し行われています。

確かに、大きく値上がりしたものはあります。

一方、思ったほど値上がりしていないものもあります。

まず全体像を捉えてみましょう。