昨年のGWは「海外の物価高と円安に驚く声」がよく流れていたが…今年は?
昨年、ゴールデンウイークで海外旅行に出かけた人たちが皆、口をそろえて「とにかく物価が高い」と、帰国した時の空港でインタビューに答えていたのを思い出します。
果たして今年はどうでしょうか。
もう忘れてしまった方もいらっしゃるかと思いますが、昨年のゴールデンウイークに入ったばかりの時、為替レートはぐんぐん円安が進んでいました。2024年4月1日は1米ドル=151円台だったのが、4月29日には160円台に達するほどだったのです。
改めて言うまでもなく、円安は私たちが海外でモノを買ったり、サービスを受けたりする際の、円建ての決済金額に大きな影響を及ぼします。
日本では1130円の定食もニューヨークでは…
そもそも欧米は、日本に比べて物価が高かったのですが、それに円安が円建て価格の割高さを助長した形になりました。
これはよくたとえの一つに出されますが、米国ニューヨークにある大戸屋で「しまほっけ定食」を食べると、その料金は26米ドルです。
1米ドル=100円でも2600円。世界で最も土地の値段が高いニューヨークですから、そのランニングコストなどを考慮すれば、26米ドルでも仕方のない値付けなのかも知れませんが、でも、日本の一等地にある、東京銀座の大戸屋で同じメニューを頼んでも、1130円です。
しかも、1米ドル=160円になると、ニューヨークの大戸屋で食べるしまほっけ定食の円建て価格は4160円ですから、円安の時に海外旅行に出かけた人たちは、帰国して現地で使ったお金を円換算した時、あまりの高さに驚いたのではないでしょうか。
では、今年のゴールデンウイークはどうかというと、円高・米ドル安が進みました。日本時間の4月3日に相互関税の詳細が公表される前、1米ドル=150円前後で推移していた米ドル/円は、そこから急激に円高へと振れ、4月22日には1米ドル=139円台をつけたのです。約1カ月で、米ドル/円は10円幅で動いたことになります。