円高で起こる良いこと&悪いこと

歴史を振り返ると大きなショックが起きると円高に振れるケースが多く見られました。そう考えると円高にネガティブなイメージを持つかもしれませんが、円高は悪いことばかりではありません。

例えば円高は輸入が有利になるメリットがあります。アメリカから100ドルの商品を輸入するケースで考えてみましょう。1ドル=100円なら1万円(100ドル×100円)が必要ですが1ドル=70円まで円高が進むと7000円(100ドル×70円)で輸入できます。円高で同じ商品を3000円も安く買うことができました。

反対に輸出では円高は不利に働きます。商品を100ドルで輸出する場合、1ドル=100円なら1万円の売り上げですが、1ドル=70円では7000円にしかなりません。海外向けの売り上げが大きい企業は円高のデメリットを感じやすいでしょう。

海外に投資している方も円高のデメリットに気を付けなければいけません。円高で資産が目減りするためです。例えば10万ドル分の資産を持っている場合、1ドル=100円なら1000万円ですが1ドル=70円だと700万円となります。ただしこれから海外に投資する方にとっては安く買える円高のほうがメリットを感じられるでしょう。

このように円高には一長一短があり、良いこともあれば悪いこともあります。

執筆/若山卓也(わかやまFPサービス)

証券会社で個人向け営業を経験し、その後ファイナンシャルプランナーとして独立。金融商品仲介業(IFA)および保険募集人に登録し、金融商品の販売も行う。2017年から金融系ライターとして活動。AFP、証券外務員一種、プライベートバンキング・コーディネーター。