iDeCo加入者の受取時の注意点

退職金の受け取りで注意したいのは、まとまった一時金以外に、先ほどお伝えしたような別の「退職金扱い」のものを受け取るときです。

年金払い退職給付は現状それほど大きな金額ではありませんが、iDeCoは早くから始めていた場合、人によってはまとまった金額になることも十分に考えられます。

2つ以上の退職金を同じ年に受け取るときは、金額は合算して計算し、控除のもとになる勤続年数は長い方を使います。もし、受け取り時期がずれている場合、勤続年数(iDeCoの場合は掛け金を拠出した年数)が重複していると、重複部が切り捨てられるなどの注意点があります。

定年退職をする公務員の場合、勤務先からの退職一時金だけでも退職所得控除の額を超えることが多いため、同じ年に受け取る・ずらして受け取るのどちらでも税金がかかる可能性はあります。

では、分割受け取りにするとどうでしょうか? 公的年金の受給額は現役中の収入によって人それぞれですが、安定して長く働くことの多い公務員は公的年金も多いことが考えられます。

仮にiDeCoの最終的な残高が500万円あり、それを10年分割で受け取るとなると単純計算すれば年間50万円雑所得(公的年金等)の金額が増えます。これによって税金が増えたり、国民健康保険の保険料が上がるなどの影響も出てきます。

どの受け取り方が適しているかは人それぞれのため一概には言えません。退職時期が近づいてきたら自分のケースに合わせて試算してみるのが良いでしょう。人生100年時代、公務員生活を終えた後の生活についても早くから少しずつ考えていきたいですね。

次回は、そんな公務員生活が伸びるかも? 公務員の定年延長についてお届けします。