親や祖父母はいないが、兄弟姉妹がいるおひとりさまの場合はどうなるのか?

さて、ここまでのケースを見てきて、「兄弟姉妹は受給対象者ではないの?」と疑問に感じた人も多いのではないでしょうか? 次に両親や祖父母など受給対象者のことは考慮せず、兄弟姉妹のみのケースについて考察します。

ケース1:会社員の姉とパート勤めの妹が同居、ほかに親族がいない場合

姉が妹を生計維持しながら、一つ屋根の下で生活していたとします。両親や祖父母はすでに亡くなっているとしましょう。

その姉が亡くなった場合、妹は生計を維持されていても受給対象者ではなく、遺族厚生年金の受給対象者は誰もいないことになります。妹としたら、モヤモヤしてしまうかもしれません。

ケース2:世帯は別のおひとりさま兄妹で、ほかに親族がいない場合

お互い独立し、お互いおひとりさまで会社員として働いている兄妹のケースです。両親や祖父母はすでに亡くなっているとしましょう。お互いに万が一のことがあった場合、兄妹以外に親族がいないため、遺族年金の対象者は誰もいない、ということになります。お互いが唯一の家族ということを考えると、やはり少しモヤモヤします。

ここまで計4つのケースを見てきたように、厚生年金保険の被保険者であるおひとりさまが亡くなると、両親に代表されるような受給対象者が健在で要件を満たす時にはその人が遺族厚生年金を受け取ることができます。

しかし、両親、子、祖父母など受給対象者がおらず、兄弟姉妹のみの場合はどうでしょう。生計維持関係にあった場合でさえも、兄弟姉妹は遺族厚生年金の受給者になれない、というのが現状です。