年金手帳の中には何が書かれている?

年金手帳の中を見てみると、個々の被保険者の基礎年金番号、氏名、性別、生年月日が記載されているページの他に、被保険者の年金加入記録についてのページがあります。かつて、「国民年金の記録」や「厚生年金保険の記録」の欄に「被保険者となった日」、「被保険者でなくなった日」等について、手書きで書かれることがありました。また、国民年金保険料納付の証明もされていました。年金制度の被保険者として、いつからいつまで加入していたか、どれほど保険料の納付実績があったかについて、年金手帳を見ながら確認できた時代もあったのです。

しかし、現在、こういった個々の被保険者の年金加入記録は全てオンラインシステムで管理されています。年金手帳に書かれていなくても、毎年誕生月(1日生まれの人はその前月)に送られてくる「ねんきん定期便」に載っていれば、その期間の記録はしっかり入っていることになります。「年金手帳に自分の加入記録について何も書かれていない……」と不安になる人もいますが、「ねんきん定期便」の記録が正確に記載されていれば問題はなく、年金手帳での記録の記載は必要ないものとなるでしょう。

マイナンバーでも年金の手続きが可能に

以前は年金の手続きにおいても、年金手帳の添付が必要とされていましたが、現在、“基礎年金番号を明らかにする書類”があれば手続き可能となっています。

老齢年金の受給が始まる頃に、その請求のために送られる、事前送付用の年金請求書にも基礎年金番号が印字されていますし、また、年金請求後に発行される年金証書にも基礎年金番号が記載されています。従って、年金手帳そのものがなくても手続きが可能であると言えます。さらに、近年は、12桁の数字で個々人に指定・通知されているマイナンバー(個人番号)があれば、基礎年金番号自体がなくても年金の手続きや相談ができるようにもなっています。

こういった年金の手続きの面でも、年金手帳の存在感はますますなくなってきていることになるでしょう。