これまで公的年金に加入している人に発行されてきた年金手帳。オレンジ色の手帳の人もいれば青色の手帳の人もいるでしょうし、20歳になって発行されたばかりの人もいれば、会社にずっと預けたままの人もいるでしょう。

年金制度の加入者の証として、長年発行され続けていた年金手帳ですが、その役目を終えつつあり、2022年4月に廃止されることになりました。

60年以上の歴史がある年金手帳、色の違いはなぜ?

年金手帳は、国民年金被保険者や厚生年金被保険者に発行される手帳です。その中には基礎年金番号が記載されており、それは4桁と6桁の計10桁の数字で年金の被保険者個々人に割り当てられています。1997年1月に基礎年金番号制度が始まったことにより、それまで年金制度ごとに異なった年金番号(4桁の記号と6桁の番号の計10桁)だったところを一つの基礎年金番号で全ての年金記録を管理することになっています。

その年金手帳の始まりは1960年10月にさかのぼります。その時から、国民年金の被保険者となった人(資格を取得した人)には、主に茶色の国民年金手帳を発行していました。一方、厚生年金被保険者となった人には当時、手帳ではなく被保険者証でした。その後、1974年11月から国民年金被保険者だけでなく、厚生年金被保険者となった人にもオレンジ色の年金手帳が発行されるようになり、基礎年金番号制度が始まった1997年1月以降は、これらの被保険者となった人に青色の年金手帳が発行され、基礎年金番号が記載されるようになりました。すでに1996年12月以前の年金手帳を持っている場合は、その手帳の番号が基礎年金番号となり、年金手帳のなかった共済組合加入者の人に対しては基礎年金番号通知書が発行されました。また、青い年金手帳についても、発行元(表紙に記載)が2010年1月より社会保険庁から日本年金機構に変わり、公的年金制度の歴史とともに年金手帳も60年以上の歴史が作られたと言えます。