11月27日は「ノーベル賞制定記念日」です。ダイナマイトの発明者アルフレッド・ノーベルが、生前ノーベル賞の設立を遺言した日として知られています。

本記事でノーベル賞の成り立ちと、投資に役立つノーベル経済学賞の知識を確認しましょう。

発明家ノーベルの遺言で運営されるノーベル賞

ノーベルは1896年12月10日に亡くなりますが、約1年前の1895年11月27日、ノーベル賞創設の遺言にサインしました。ノーベルの莫大な遺産を運用し、その利益を人類に最も貢献した人へ分配する「ノーベル財団」の設立を指示したものです。

ノーベル財団は1900年に設立され、1901年にノーベル賞の授賞が始まりました。ちなみに第1回の物理学賞はエックス線を発見したヴィルヘルム・レントゲン氏に贈られています。

当初は「物理学賞」「化学賞」「医学・生理学賞」「文学賞」「平和賞」の5分野でしたが、現在では「経済学賞」を加えた6つの分野で賞が贈られています。毎年ノーベルの命日12月10日に行われる華やかな授賞式はニュースなどで見たことがある人も多いでしょう。

2021年の日本人受賞者はプリンストン大学の真鍋淑郎(まなべ・しゅくろう)氏です。二酸化炭素が地球温暖化に影響するといち早く提唱し、物理学賞を受賞しました。日本人のノーベル賞受賞は真鍋氏で28人目です(真鍋氏は米国籍を取得しています)。

フィナシー読者にとって興味があるのは経済学賞でしょう。2021年はカリフォルニア大学のデビッド・カード氏とマサチューセッツ工科大学のヨシュア・アングリスト氏、そしてスタンフォード大学のグイド・インベンス氏の3人が受賞しました。「自然実験」と呼ばれる手法を確立し、雇用に関する研究が評価されたものです。

ちなみに経済学賞は、ノーベル賞の6分野で唯一受賞した日本人がいません。いつか日本人から受賞者が出るといいですね。

ノーベル経済学賞は1969年、スウェーデン国立銀行の提案で新たに賞に加えられ、今日まで数々の画期的な研究が表彰されてきました。私たちの投資に生かせる2人の研究をご紹介します。