ドラッカーが伝えるマネジメント3つの役割

ドラッカーは、マネジメントには以下3つの役割があると説いています。

・組織に特有の目的・使命を果たさせる

・組織で働く人たちを生かす

・組織に社会問題の解決に貢献させる

マネジメントは第一に、「組織に、その組織特有の目的や使命を果たさせるためにある」としています。これは、単に組織(企業)を利益獲得に向かわせることをいっていません。ドラッカーは、企業の利潤動機そのものには意味がなく、「顧客を満足させることにこそ企業の使命がある」と述べています。マネジメントは、この企業の使命を、組織の上から下に至るあらゆる階層まで共有させる役割を持つのです。

また「組織で働く人たちを生かす」ことも、マネジメントの役割だとドラッカーはいいます。現代社会において、個人にとって組織こそが生計を立てる手段であり、社会的な地位やコミュニティーになっていると指摘しました。組織は、それら組織で働く人々を生かすことが重要であり、マネジメントの役割であると述べています。

マネジメント第三の役割が「組織に社会問題の解決に貢献させる」ことです。これは単に「いい組織を目指しましょう」ということではなく、ドラッカーは「社会に存在を許してもらうために、組織は社会的責任を果たすことが重要だ」と悲観的に述べました。つまり、好感度のようなものを得るためではなく、存続のために企業は社会問題の解決が必要であり、マネジメントはその責務を負うと述べているのです。

経営者はもちろん、プロジェクトのリーダーとしてチームをまとめる立場にある方は、これらのマネジメントの役割を意識してみてはいかがでしょうか。

最後に、ドラッカーの「人」に関する3つの名言を紹介し、記事を締めたいと思います。

「人こそ最大の資産である」

「組織の違いは人の働きだけである」

「人のマネジメントとは、人の強みを発揮させることである」

執筆/若山卓也(わかやまFPサービス)
証券会社で個人向け営業を経験し、その後ファイナンシャルプランナーとして独立。金融商品仲介業(IFA)および保険募集人に登録し、金融商品の販売も行う。2017年から金融系ライターとして活動。
AFP、証券外務員一種、プライベートバンキング・コーディネーター。