まとめ:目からウロコのアクティブファンドvsインデックスファンド

資産運用で投資信託を利用するにあたり、アクティブファンドとインデックスファンドのどちらを選ぶかは難しい選択です。昨今では運用コストや運用成績の差からインデックスファンドを推す声が大きいようです。しかしながら筆者はコストや運用成績に留まらず多角的に両者を比較することが重要と考え、4回にわたりアクティブファンドとインデックスファンドの特性を考えてきました。

第1回では、最初のステップとして、どのような資産運用を行いたいか考えることが重要であることを指摘しました。ファンド選びに手間と時間をかける用意がある皆様にはアクティブファンドをご検討いただく価値があることをご説明しました。

第2回では、昨今報道されている通説とは異なり過去の実績では、米国株を除き、国内外の株式・債券・REITいずれもアクティブファンドの平均リターンの方がインデックスファンドのそれよりも高いことを示しました。

第3回では、現在の視点から両者の商品性を比べました。コスト水準ではインデックスファンドに、投資対象の広さによる期待リターンの水準の点ではアクティブファンドに軍配が上がります。一方運用手法の点では、市場環境によって異なり優劣がつけ難いことをご説明しました。最後に、近年米国株でインデックスファンドが優勢な理由は、アクティブファンドに対して特に強い逆風が吹く投資環境が続いたためと考えられることもお話ししました。

今回の第4回では、未来を見据えて、投資資産別にどのような投資環境であればどちらが優位かを考えました。実際の運用成果は市場環境と各アクティブファンドの運用の巧拙にもよりますが、今後は、全ての投資対象で、アクティブファンドのさらなる活躍が見込まれるとの筆者の考えをご紹介しました。

アクティブファンドからは、これからもインデックスファンドに勝るとも劣らない投資成果が期待できるでしょう。ファンド選びに時間や手間、場合によってはある程度のコストをかけても良いとお考えの方には、アクティブファンドの利用を積極的にご検討いただく価値は十分にあると考えます。

それでは、アクティブファンドはどのように利用するのが賢明でしょうか? 運用成果に繋げるためにファンド間のパフォーマンス差が大きいアクティブファンドをどうやって選べば良いでしょうか? 本連載では、11月以降数回にわたり“優れた”アクティブファンドの選び方について筆者の25年のファンド評価経験を踏まえてお話しします。

なお、第2回の過去実績におけるアクティブファンドとインデックスファンドの比較について、読者の方からいくつかご質問をいただいております。次回は、ご質問に対する私の考えをご説明させていただきます。