グリーンボンド原則によって信頼性を担保

投資家にとって、グリーンボンドは環境問題にも貢献できる投資先として分かりやすい。企業側も、環境問題に関心の高い投資家の注目を集められるという利点がある。

しかし、その事業が環境問題の解決にどれほどの効果を出しているのかを投資家が判断するのは簡単ではない。なかには近年の環境意識の高まりを利用し、実態は異なるのに、環境に配慮しているよう見せかけてイメージ向上を図る「グリーンウォッシュ」を行う企業もある。資金が正しく使われているのかは投資家にとって気になるポイントと言えるだろう。

そのため、グリーンボンドは信頼性を守るために「グリーンボンド原則」という発行ガイドラインによって以下の4つの要素を核とするように定められている。

1.調達資金の使途をグリーンプロジェクトに限定すること
2.実施目的や、事業が適格と判断されているか、プロジェクトの評価と選定プロセスの開示
3.調達資金を確実に追跡すること
4.プロジェクトの進捗や効果、資金の利用などをレポーティングすること

さらに、これらの要素を遵守しているか外部機関の審査を受けることも推奨されている。格付け機関による債券の信用状態の評価のように、投資家は客観的分析を基に、適切な目的で発行されたグリーンボンドか判断できる。