グリーンボンド購入はESG投資と分散投資に効果あり
投資家にとって、グリーンボンドの購入はESG投資を手間なく、効果的に行えるというメリットがある。ESG投資とは環境や社会課題への取り組み、健全な経営などを通じて持続可能な社会づくりに貢献し、長期的成長が見込める企業を選んで投資する手法のこと。従来、企業がESGを重視しているかどうかは、決算資料などから投資家が自分で判断する必要があった。
しかし、前述の通りグリーンボンドは環境に配慮しているか、事業に透明性はあるかといった観点から、外部機関による評価が行われる。そのため、投資家は主観以外の情報を基にESG投資が行えるわけだ。
また、おさらいとなるが、債券は企業にお金を貸し付ける借用証明書のようなものだ。満期になるとあらかじめ設定されていた利子が購入額に上乗せされて返済される。リターンが一定という性質上、一般的に株式投資よりリスクが低いと考えられている。
株式以外に債券も保有することは、投資する金融商品の種類を分けて値下がりリスクを抑える分散投資にもつながる。
もしESG投資や分散投資などの目的でグリーンボンドを購入したい場合は、行政や企業の公募、グリーンボンド債券投資を行うファンドへの投資を通じて取得できる。例えば2020年11月には東京都が東京グリーンボンド(外貨)を、2021年6月にはオリックスが個人向けのグリーンボンドを発行している。債券は証券会社や銀行といった金融機関、郵便局などで購入可能だ。