「DC難民」とは、会社を離職した際に移し換えるべき企業型確定拠出年金(企業型DC)の資産を適切に処理せず、国民年金基金連合会という国の機関に強制格納された「自動移換者」であることは、前回の記事(リミットは6カ月!「自動移換」転退職するとき知っておきたい企業型DC)でお伝えしました。今回は、DC難民になると具体的にどのようなデメリットがあるのかお伝えしたいと思います。

「老後資金が減り、増やす機会も逃してしまう」自動移換

ひと言で言うと「お金が増えないばかりか、減る一方」という環境に置かれるのが「DC難民」です。では、どのくらい減るのでしょう?

まず、自動移換される際に移換手数料として4348円、その後は管理手数料として年間624円がコンスタントに差し引かれます。これらのコストは全て、自動移換された資産の中から差し引かれます。

DCというと税制優遇を思い浮かべる方も少なくないと思いますが、自動移換された資産についてはなんら優遇がありません。資産に利息がつくこともありませんし、ただただ目減りしていくだけです。さらに、DC難民であることに気付いて、ご自身のiDeCoなり新しい企業型確定拠出年金なりに資産を移換しようとすると、その際に1,100円の手数料がまた引かれます。

仮に手数料が引かれ続け、最後に資産残高が0円になってしまえば、そこでゲームオーバー。あなたの資産は全て消滅、DC難民とさえも言われなくなります。