ロボアドバイザーの弱点は踏み込んだアドバイスとリスク調整ができないこと
税金面でのアドバイスやケースバイケースでの相談を売りにしているロボアドバイザーもありますが、401(k)やIRAは日本のiDeCoやNISAと同じで、そもそも非課税口座で税金は関係ないですし、インデックスファンドを使った低手数料の長期ほったらかし投資においては、そのような個別アドバイスが必要になることもそれほどないとも言えます。
実際、「どのくらいの生活費でいつリタイヤしても大丈夫か」など、一歩踏み込んだアドバイスに関してはロボアドバイザーでは対応できないことが多いので、そのようなケースでは時間チャージあるいは固定チャージでファイナンシャルアドバイザーに相談したほうが、コスト的にも質的にも良い場合も多いのではないかと思います。
ロボアドバイザーにもよりますが、(1)と(2)はやってくれるが、(3)はやってくれないサービスがあります。最初にいくつか質問に答えることでリスクレベルにあったポートフォリオ組みをしてくれ、その後リバランスも定期的にしてくれるものの、その後経年とともに必要なリスク調整はされないケースです。手数料をとっているのにこれはお粗末なことでもあり、そのようなものはお勧めしていません。
“小回り”を利かせたいときに、ロボアドバイザーをお勧めすることも
一方で、お客様にあえてロボアドバイザーをお勧めするケースもあります。それは、課税投資口座(401(k)やIRAなどの老後資金用の非課税口座以外のもの)での運用時です。
課税口座でも、簡単に済むターゲット・デート・ファンドを使うこともできるのですが、この場合一本で済むターゲット・デート・ファンドの欠点が問題になることもあります。
たとえば、家の購入や学資など中期的な投資を兼ねたい場合とか、一応長期投資を目標にしているが、もしかして何かあったら引き出す可能性があるかもしれない場合などに、一本ファンド型での投資だと含まれる株式も債券も全部パッケージで売却して現金化するしかありません。
債券だけ売りたいとか、米国株式だけ売りたいなどという小回りが利かないのです。
非課税口座であれば、ターゲット・デート・ファンドを売り、中に含んでいる個別ファンドを買うことで、ファンドを「ばらばら」にしてから小回りを利かせることができ、それが非課税でできます。
課税口座ではそこで課税が発生してしまうので、それを避けるため最初から「ばらばら」に個別ファンドでの投資が望ましいわけです。