ロボアドバイザーのライバルはターゲット・デート・ファンド
ロボアドバイザーの一番の競争相手は、なんといってもターゲット・デート・ファンドでしょう。実際、ロボアドバイザーとターゲット・デート・ファンドはやっていることがかなり似通っています。
初めて投資を始めるとき、ハードルとなる要素がいくつかあります。いったん投資を始めてみればそれほど大変なことでもないかもしれませんが、一度も投資をしたことがない人にとっては、どこから始めて何をどうすればいいのかが分からないからです。
大きく分けて3つあるかと思います。
(1)投資ファンドを組み合わせてポートフォリオを組むこと(ポートフォリオ組み)、(2)投資開始後、それぞれのファンドで投資成績が異なるため最初の比率からずれが生じるので、それを定期的に元の理想的な比率に戻すこと(リバランス)、そして(3)経年とともに、だんだんお金を使う時期(リタイヤなど)が近づきますから、それに応じて株式比率を下げリスク低下を図ること(リスク調整)です。
インデックスファンドを使った長期投資(老後資金などの)を目的に、(1)も(2)も(3)もすべてをある意味“ロボ化”したのがターゲット・デート・ファンドであり、アメリカの確定拠出年金制度401(k)ではすでに主流になっています。年号を選ぶだけで、(1)~(3)まで自動走行です。日本のiDeco(イデコ)におおむね相当するIRA(Individual Retirement Account)でも、ターゲット・デート・ファンドは人気です。アメリカのターゲット・デート・ファンドの手数料は0.08%から0.15%程度が主流ですから、わざわざIRAで0.25%の手数料を払ってロボアドバイザーを使いたいと考えるためには、何か特別な理由がなければなりません。