金融機関をサポートすることは、その先の顧客のためでもある

もっとも、いくら仕組みをつくっても、報酬に見合うだけのサービス、付加価値を提供できなければ絵に描いた餅になってしまう。「顧客に良いサービスを提供するためには、担当者のレベルアップが不可欠ですが、一方でビジネスとしてきちんと収益が得られる構造へと変えていくことも重要です。そのためにも、自前主義にこだわることなく、自分たちの強みに集中することが大切になるわけです。」。

金融機関が不得手な部分、付加価値を生み出しにくい部分をアウトソースし、自らの強みに集中する。例えば銀行であれば、金融商品の購入後の手厚いアドバイスやフォローに磨きをかける。一方で、ネット証券などの非対面チャネルであれば、効率アップに注力することで、ユーザビリティの向上やさらなる手数料の引き下げも可能になるだろう。

各金融機関の強みがより鮮明になれば、個人投資家も自分が効率性や低コストを求めているのか、それとも手厚いサポートを求めているのか、自らの目的を明確にした上で、それに応じて金融機関を選びやすくなるのは間違いない。

このように金融機関がそれぞれの強みを最大限に発揮できるよう、事業基盤の構築をサポートするのが、日本資産運用基盤グループだというわけだ。

日本資産運用基盤グループの皆さん、前列左から2番目が大原氏

「自らサービスをつくって提供するのではなく、良いサービスを提供する金融機関を100社、1000社とサポートし、結び付けていく。そうすれば間接的ではあっても、各金融機関の先にいる数百万、数千万のお客さまに良いサービスを提供できるわけです。そのほうが影響は大きいですし、なによりやりがいがありますよね」。金融機関のビジネスモデルを変えていくことで、最終的にはその先の顧客を幸福にする。それが大原氏の設定するゴールと言えるのかもしれない。