経済指標から見る現状

次に、先ほど発表された個人消費支出物価指数を見ておきましょう。基本的に先日発表された消費者物価指数に似ています。即ち、ヘッドライン(総合)こそ、横ばい圏にとどまり、インフレの落ち着きぶりを示していますが、食品とエネルギーを除いたコアやサービス価格についてはじわりとインフレに持ち直しの兆しが伺えます(8ページ)。こうした一定のインフレ圧力が残っている背景に足元の景気の底堅さが挙げられるでしょう。

 

 

そこで週次のGDP統計ともいわれるアトランタ地区連銀公表のWeekly Economic Index(WEI)を見てみましょう。これは生産や消費、雇用に関する10種類の日次および週次データを元に、現在のアメリカのGDP成長率を推計しているものです。これによれば、現在アメリカ経済は前年比で2.6%成長のペースです(9ページ)。

 

 

このWEI算出に際し、比重の高い小売売上高のデータを見てみましょう。レッドブックリサーチが公表するこの週次の小売データは商務省が発表している小売売上高の8割以上のデータを占めています。尚、ネット販売は含まれていません。現在、8月の第4週目までのデータが発表されていますが、今月の個人消費は依然として堅調さを保っているようです。その主因は堅調に推移するアメリカの株式相場でしょう。アメリカの個人消費は株高による資産効果が強く働くとされているからです(10ページ)。