ドル指数と長期金利の動き
ドル指数の対象6通貨の今週の対ドル変化率を見ると、ドルより強かったのはカナダドルおよびスウェーデンクローナだけでした。そのほか4通貨はドルに対し、下落しています。今週のドルは底堅く推移したと見ることもできます(4ページ)。

そこで今週の長期金利の動きを見てみましょう。アメリカの長期金利は2~3bpほど低下しましたが、多くの国でも長期金利が低下しました。また、スウェーデンとイギリスの長期金利は上昇していますが、イギリスの上昇幅は数ベーシスに留まっており、総じてみてドル安が進む長期金利の動きとはなりませんでした(5ページ)。

一方、各国・地域の株価指数の動きに着目すると、総体的にみて米国株の堅調さが伺えます。アメリカでは注目されたエヌビディアの決算発表がありました。高過ぎとも言える期待にこそ届かず、発表後にエヌビディアの株価が下落する場面も見られました。ただ、決算内容は決して悪いものとは言えません。総じて米国株が堅調に推移したことが米ドルを下支えしたと考えることができます(6ページ)。

ここへきてドル円相場に膠着感が漂っています。投資家の間でも円相場に対する見方が割れているようです。例えば、投資主体別にみた円の先物ポジションの動向を見ると、年金基金など、やや長めの期間で投資するアセットマネージャーズは、ここへきて再び円高を見越して円ロングを積み増す動きに転じています。一方、ヘッジファンドを含むとされるレバレッジとファンド勢は円安を見越し、円ショートをさらに拡大させています(7ページ)。
