長期下落から反発局面 日経平均に採用
ロームの株価は下落トレンドからの反発が見られます。
下落トレンドは、およそ1年9カ月続きました。2023年7月の高値3563.75円から、トランプ関税に伴う25年4月の安値1069円まで、株価は約70%も下落します。25年3月期は12年ぶりの最終赤字であり、業績悪化への懸念が株価に反映されたと考えられます。
その後、関税への懸念の後退に伴い株価は反発します。また、25年5月にAIサーバー向け製品を開発したことを公表すると、期待感から株価は前日比プラス7.5%と急騰しました。さらに6月には日経平均株価への新規採用が発表され、ファンドの組み入れ需要の思惑から買いが集まります。株価は1800円付近まで上昇し、5年前と同水準まで回復しました。
【ロームの株価チャート(過去5年間)】
・株価:1799.5円(2025年6月25日終値)
足元で株価が上昇しているとはいえ、PBR(株価純資産倍率)は0.78倍と、純資産から見ると割安感もあります。ロームのPBRは1倍を超えていましたが、株価の下落に伴い23年度末から1倍割れの状況です。現在の純資産で考えたとき、再びPBR 1倍を回復するには、株価は28%上昇する必要があります。
【ロームのPBR(2025年6月25日終値)】
・1株あたり純資産:2303.25円
・PBR:0.78倍
・(参考)東証プライムPBR:1.4倍(2025年5月)
※純資産は2025年3月末
※東証プライムPBRは加重平均
出所:ローム 決算短信、日本取引所グループ その他統計資料
ロームの株価は今後、どのように推移するのでしょうか。同社が苦戦している理由と、今期から取り組む構造改革から探ってみましょう。