労働組合の有無とフレックスタイム制導入率の関係
フレックスタイム制を導入している企業では、「清算期間1週間超1か月以内」の設定が最も一般的で、全体の3.9%を占めている。清算期間とは、実際に働いた時間とあらかじめ会社で定められた総労働時間との過不足を調整するための期間のことだ。
企業規模が大きくなるほど、特に「清算期間1週間超1か月以内」の制度を採用する傾向が顕著であり、300人以上の企業では34.3%、100〜299人の企業では19.2%がこの形態を選択している。
なお、調査からは労働組合の有無によるフレックスタイム制導入状況の違いも明らかになった。導入率が最も高いのは、過半数組合と過半数組合ではない労働組合の両方がある事業所で21.1%。逆に最も低いのは、過半数組合ではない労働組合のみがある会社で9.4%。労働組合はないという会社の10.0%よりも低かった。
調査結果を通して分かったことは、フレックスタイム制の普及が道半ばであることだ。今後、多様な働き方を取り入れながら生産性向上を推進する機運が高まれば、フレックスタイム制をはじめとする柔軟な労働時間制度の導入拡大が課題となるだろう。その際は従業員の意見などにも耳を傾けながら、成果へつなげるためのよりよい働き方の導入に取り組んで行くことが求められそうだ。
調査概要 調査名:令和6年労働時間制度等に関する実態調査 調査主体:厚生労働省 調査実施期間:2024年9月21日~10月21日 調査対象企業:1万161事業所、1万7789人、うち有効回収数 4921事業所(有効回答率48.4%)、5505人(同30.9%)