年次有給休暇の取得率は約8割、企業間で差も

直近1年間の年次有給休暇の取得状況については、2025年5月21日に公表された「令和6年労働時間、休日・休暇調査」(厚生労働省)に詳しい。同調査よれば、全体では1人当たりの新規付与日数が19.4日であるのに対して、平均取得日数は15.8日。つまり1人当たりの年次有給休暇取得率は79.6%となっている。これは前回調査(2022年)から6.2ポイント向上している。

出所:厚生労働省「令和6年労働時間、休日・休暇調査」

製造業に限ると、1人当たりの新規付与日数は19.2日、平均取得日数は16.4日、1人当たりの年次有給休暇取得率は83.4%と、全体よりもやや高い水準を示している。こちらは前回調査より6.1ポイント増加している。

取得率の分布を見ると、全体では「80%以上90%未満」が最も多く28.8%(集計146社の42社)、次いで「70%以上80%未満」が28.1%(同146社の41社)。製造業では「70%以上80%未満」が最も多く36.9%(同84社の31社)、次いで「80%以上90%未満」が29.8%(同84社の25社)となっている。

このデータから、多くの企業で年次有給休暇の取得率は70%から90%の範囲に集中していることがわかる。言い換えれば、従業員は付与された有給休暇の約8割を実際に取得している計算になる。

●前編「【勤続年数別】「有給休暇はどのくらい?」付与日数の“標準”が明らかに 「最新調査」