企業規模によって導入状況に大きな差

フレックスタイム制とは、1日の労働時間の長さを固定せず、1カ月以内の一定の期間の総労働時間を定め、その時間内で日ごとの労働時間を自分で決められる制度だ。業務時間をコアタイム(必ず勤務すべき時間帯)と、フレックスタイム(その時間帯の中であればいつ出社または退社してもよい時間帯)とに分け、出社や退社の時刻を自身で決定できる。

フレックスタイム制についての最新調査は2025年5月23日に公表された「令和6年労働時間制度等に関する実態調査」(厚生労働省)に詳しい。

結果によると、調査に回答した全企業(4921社)においてフレックスタイム制を「導入していない」と回答した割合は89.0%に達し、約9割がいまだ制度を採用していないことが分かった。一方、何らかの形でフレックスタイム制を導入している企業は合計で11.0%となっている。

出所:厚生労働省「令和6年労働時間制度等に関する実態調査」

特筆すべきは企業規模による導入率の差だ。従業員数300人以上では39.5%がフレックスタイム制を導入している。詳細を見てみよう。

フレックスタイム制の制度導入状況(事業所規模別)

出所:厚生労働省「令和6年労働時間制度等に関する実態調査」よりFinasee編集部作成

フレックスタイム制の制度導入状況(事業所規模別)

・1~9人 11.0%
・10~29人 9.3%
・30~49人 9.4%
・50~99人 15.8%
・100~299人 22.2%
・300人以上 39.5%

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