◆三者三様の米国株ファンドの推移

売れ筋の第2位になっている「次世代米国代表株ファンド『メジャー・リーダー』」は、主として米国で取引されている次世代の米国経済の主役となり得ると判断した企業の株式に投資を行うファンドだ。第9位の「野村インデックスファンド・米国株式配当貴族」は「S&P500」指数の構成銘柄のうち25年以上連続で増配している銘柄を対象とする指数に連動する。そして、第10位の「netWIN GSテクノロジー株式ファンドBコース」は主にテクノロジーの発展により恩恵を受ける米国企業の株式に投資するファンドだ。売れ筋トップ10に特長のある米国株ファンドがランクインしているが、それぞれの特性によって2025年のパフォーマンスに大きな違いが出ている。

まずは、今回の米国株主導の下落相場でもっとも大きなダメージを受けているのが「netWIN GSテクノロジー株式ファンドBコース」だ。2024年までの株式市場をリードした米国ハイテク大型株が今回の下落では大きく崩れて下落率が大きくなっている。「netWIN GSテクノロジー株式ファンドBコース」も年初から30%も下落した。一方、「次世代米国代表株ファンド『メジャー・リーダー』」は株価が上昇を続けていた1月の段階では「S&P500」を上回るパフォーマンスをあげていた。それが、株価が下落に転じてからは「S&P500」を下回る動きに転じている。そして、「野村インデックスファンド・米国株式配当貴族」は下落相場の中で下値抵抗力の強さを見せているが、それでも株価下落の震源地である米国株を対象としているためか、下落率は15%程度に達しており、決して小さな下落ではない。

今後、株式市場がどのような展開になるのかは誰にも予測ができないところだ。米国が再び力強く成長する経済に戻るのであれば、現在は大きく下落している「netWIN GSテクノロジー株式ファンドBコース」や「次世代米国代表株ファンド『メジャー・リーダー』」などが大きく上昇することが期待できる。反対に米国が不況に陥るようなことになれば、「野村インデックスファンド・米国株式配当貴族」の安定感に魅力が増すことになるかもしれない。今は変化の途上にあるため、先行きを決めつけることなく冷静に市場の動きを追いかけるようにしたい。

 

執筆/ライター・記者 徳永 浩