福岡銀行の売れ筋(店頭販売件数ランキング)の2025年3月のトップ2は前月と同じで「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信 Bコース(為替ヘッジなし)」、「米国NASDAQオープン Bコース」だった。前月第3位の「netWIN GSテクノロジー株式ファンドB(為替ヘッジなし)」が第4位に後退し、第4位だった「ストックインデックスファンド225」が第3位に上がった。第6位から第8位には「スパークス・新・国際優良日本株ファンド『愛称:厳選投資』」、「One国内株オープン『愛称:自由演技』」といったユニークな国内株アクティブファンドがランキングされている。
◆インデックスファンドVSアクティブファンド
トランプ政権の関税策によって米国経済が深刻なダメージを受けると考えられ、今後の株式市場に対して弱気な見方が広がる中だが、福岡銀行の売れ筋トップは、引き続き「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信 Bコース(為替ヘッジなし)」だった。2024年8月以来、8カ月連続でトップをキープしている。同ファンドは、主として成長の可能性が高いと判断される米国株式に投資するアクティブファンド。2025年3月末時点では51銘柄に投資している。
そして、第2位は「米国NASDAQオープン Bコース」で、同ファンドはNASDAQ市場に上場している銘柄の中から、「成長性」「収益性」「安定性」を総合的に勘案して選択した銘柄に投資している。2025年3月末時点では33銘柄でポートフォリオを作っている。
この2つのファンドと米国の代表的な株価指数である「S&P500」と「NASDAQ100」に連動するインデックスファンドの基準価額の推移を2025年の年初からみると、それぞれのファンドが最高値を付けたのは1月下旬だった。株価指数としての「S&P500」は2月19日に史上最高値を更新する高値をつけているが、年初に158円台に進んだドル円が、4月には142円台にまで円高・ドル安が進んだため、ドル円が一番円安の水準になった1月に基準価額のピークがきている。
4つのファンドの値動きをみると、インデックスファンドが上昇していた1月の段階では、インデックスファンドに対してアクティブファンドが優位な展開だった。ところが、インデックスファンドが下落に転じた2月以降は、インデックスファンドに対してアクティブファンドの下落率が大きくなっている。このアクティブファンドの下落率の大きさは、投資している銘柄数が少ないためで、これが価格変動率の大きさに影響している。たとえば、500銘柄に投資する「S&P500」インデックスファンドに対し、「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信 Bコース(為替ヘッジなし)」の投資銘柄数は51銘柄と10分の1だ。「NASDAQ100」が100銘柄で構成されていることに対し、「米国NASDAQオープン Bコース」のポートフォリオは33銘柄で構成されているため、3分の1の水準ということになる。
優れた厳選投資型アクティブファンドの特徴は、株式市場全体が下げ基調にある場合は、価格変動率の大きさからインデックスよりも下落率が大きくなることはあるが、反対に市場が上昇局面にある場合は、インデックスを上回るパフォーマンスをあげることができる。「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信 Bコース(為替ヘッジなし)」は2024年12月末を10000とすると、2025年1月の高値は10260であり、これは「S&P500」インデックスファンドの10133を上回った。同様に「米国NASDAQオープン Bコース」も1月の高値は10317であり、「NASDAQ100」インデックスファンドの10081を上回っている。比較期間が短いために差はわずかであるが、その片りんがうかがえる。
今後、米国株がどこで底入れをするのか? また、底入れ後にどのような相場展開になるのか、今の段階で見通すことは難しいが、福岡銀行の売れ筋ランキング上位にあるファンドについては十分な実績のあるファンドといえ、今後の難しい相場の中でもしっかりと銘柄を選定し、インデックスに負けないパフォーマンスをあげることが期待される。
