学びが投資の選択肢を広げる
一方で、金融経済教育の経験なしの人の特徴を見ていこう。トップは「中長期的な株価の上昇が見込まれるから」24.2%、次いで「配当金/分配金が魅力的な銘柄だから」23.9%となっている。
「金融経済教育の経験なし」投資家の「成長投資枠」購入理由ランキング
1位 中長期的な株価の上昇が見込まれるから 24.2%
2位 配当金/分配金が魅力的な銘柄だから 23.9%
3位 海外の成長性への期待 13.8%
4位 企業の業績が良い(今後良くなることが予想される)から 13.6%
5位 株主優待が魅力的な銘柄だから 13.5%
2位までは経験ありの人と同じ順位だ。しかし、回答率の割合に差がある。1位の「中長期的な株価の上昇が見込まれるから」は約4ポイントほど経験ありの人の方が高く、2位の「配当金/分配金が魅力的な銘柄だから」は逆に経験なしの人の方が約2ポイントほど高かった。
また3位「海外の成長性への期待」13.8%は、経験ありの人では6位であった。
経験なしの人はつみたて投資枠でも「海外の成長性への期待」が1位を占めており、海外への成長に期待をかけている傾向にあるようだ。
なお、4位の「企業の業績が良い(今後良くなることが予想される)から」は約8ポイントほど経験なしの人の方が低かった。
ちなみに、設問は複数回答が可能な設計となっている。上位5位までの回答率を足すと、経験ありの人となしの人では約14ポイントほど経験ありの人の方が高かった。全選択肢の回答率の合計で見ると差はさらに開き、約52ポイントほど経験ありの人の方が高くなる。このことから、金融経済教育を受けた投資家は受けていない投資家と比較して銘柄選びの際に複数の観点を考慮していることがうかがえる。
投資をする際に多様な視点を持つことは重要だ。そして情報を自分で判断して納得のいく商品選びを行うことは基本といえる。市場に変化は付き物だ。不測の事態に慌てないためにも意欲的な情報収集と自主的な判断が欠かせない。
調査概要:「新NISA開始1年後の利用動向に関する調査結果(速報版)」 調査主体:日本証券業協会 調査対象:2024年に新NISAで金融商品を購入した7610人 調査時期:2025年1月 調査方法:インターネット調査